(ゴールド / 31歳 / 兵庫県)
木造・2×4工法・鉄筋コンクリート等、様々な建築工法がありますが、地震に強い建築工法はありますか?
どの工法でも、建築基準法にのっとっている限り、地震に対する強さに違いはありません。一般的には、RC(鉄筋コンクリート)造は地震に強く、木造は弱い、というイメージをお持ちの方が多いのですが、それは誤解です。
例えば新築住宅の場合「住宅性能表示制度」の基準では耐震等級が3段階あり、耐震等級1が建築基準法と同等レベル、等級2がその1.25倍、等級3が1.5倍ですが、いま売られている新築マンションはほとんどが等級1レベルです。
一方で一戸建ての場合、大手ハウスメーカーの多くは、耐震等級3を標準としています。建売住宅をたくさん供給するパワービルダーや気のきいた工務店も耐震等級3を実現してるところがあります。
木造住宅が地震に弱いイメージをもたれるのは、現場での工事段階で、手抜かりや手抜きが起きやすかったためです。事実、さくら事務所のホームインスペクション(住宅診断)実績では、中古住宅には現行の耐震性能を満たしていないものもあります。
新築はどの工法であれ、建築基準法に対してどのくらいのレベルなのか確認してください。中古の場合はホームインスペクター(住宅診断士)などの専門家に建物を診断してもらうとよいでしょう。
※住宅性能表示制度(住まいの情報発信局)http://www.sumai-info.jp/seino/index.html
建築基準法(けんちくきじゅんほう、昭和25年5月24日法律第201号)は、国民の生命・健康・財産の保護のため、建築物の敷地・設備・構造・用途についてその最低基準を定めた法律。
住宅性能表示制度とは平成12年4月1日に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく制度。
1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社『株式会社さくら事務所』を設立。以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築いた。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。TV等メディア出演 、不動産・経済セミナー講師、出版・執筆活動等、幅広く活躍中。『住宅購入学入門いま、何を買わないか』(講談社)他、著書多数。